●積年 敷金返還頂上戦 其の一

※敷金とは
敷金とは、借主(入居者)の債務(家賃の支払い等)を担保するために、貸主(大家さんや管理会社)に渡すもので、賃貸契約終了時に借主が債務不履行(家賃の未払い等)がなければ概ね全額返金するもので、債務不履行があればその金額を払うという解釈の事です。


学生や社会人の方は大抵は戸建に住む方は少数だと思われる。
実家と離れ、暮らす人にとっては、其の多くはマンションやアパート等をいわゆる賃貸し家賃を納めて生活するものであります。それを賃貸するにあたり、大家さんもしくは委託管理会社との契約が必要になる。

ご多分に漏れず、小生も首都圏に賃借居住し過去4度程、契約して更新して退去して来た訳でありますが、その度に敷金というグレーゾーン金利的、憲法9条伏魔殿が大きく立ちはだかってきました。

最初は礼金と同じものという浅はかな知識程度で約款、特約事項、原状回復義務というものに眼が行かず2ヶ月分の家賃を敷金として収め、出て行く時に(解約時)その補修代金が引かれ残額だけが帰ってくると不動産屋からも言われておりました。
場合によっては敷金で賄えず、修繕代金を更に払う場合も!!!とも言われたりと。
疑う事も無しに契約をしておった屈辱の時代がありました。

現在のようにネットで虚実を自ら索敵出来ない時代にありましたから、本や人聞きで、実は敷金は全額帰ってくるらしい?建設省(現国土交通省)が借主勝訴の判例に基づき、原状回復のガイドラインという条例がある?出来た?裁判しないと帰って来ない?等々。知識が少しづつ付きましたが、やはり業者も巧みであり、新築で入居した時は半分も返還出来ない惨敗をした事もありました。

時には穏健派の小生も激怒したり、ゴミ袋を部屋に全部置いて退去してきてやったりと、ただ虚しい武力行使となった時代もありました。そうでつ。いつも自分の壁となったのは入居時の特約事項なのです。

業者はあらゆる入居者の欠点を探しだす。

新築だと相当、形勢不利な事も経験上分かります。

どんなに綺麗に使っても、手垢一つ付けず生活しても、敷金の取立てを撃破する事は難しいのです。

これほどに日常生活の中での汚損の負担区分と入居者の不注意や過失による汚損等の区分の定義は曖昧で複雑なのであります。

まず誰もが予想して思うであろう、入居者の修繕負担の義務が無いとされる通常損耗の例として大まかに見ると部屋タイプにもよるが
・煙草のヤニや焦げ
・畳の変色
・フローリングの色落ち
・建物構造欠陥による雨漏り等

は賃貸人(大家)側での修繕義務として当然な範囲です。
次に入居者の原状回復義務となりますが、これは判例とガイドライン条例の定義としては以下です。

・原状の状態即ち、元の状態に戻して明け渡せば入居人の修繕義務無し。

たったこれだけなんす。要は綺麗に掃除して明け渡してねって事であります。

例として、家具設置による床、カーペットの凹み、設置跡やクロスの汚れがついたとしてもこれは通常生活で起こる事なので、負担する義務なんて無いのものなんですよって言ってくれている。

これは心強いと一瞬思いますが、実は国土交通省もお役所ですので、何も強制力は無い。。。。
一方、契約書が有効なものとなりますので、よく業者の説明を受け、双方納得した上で契約することです。と述べるに留まる役所。

は?これはただの理想というか管理会社(大家)への要求なだけなのである。

結局は特約の有効力は強力であります。自分には専守防衛しかないのか・・・。

管理会社側が特約をかざして、原状回復義務を負わせ、敷金から精算とする。
これが慣例化された常識としてまかり通っているのであります。

稀に凹みの場合の切り分けで傷跡(家具の足跡)にならないよう、クッションや板等を置くように特約に記載があって、それを遵守した場合はこの限りでないみたいな良識な特約もある事もあるが、少なくとも大手と言われるような会社及び個人大家においても、まあこのような温情な約款特約はまず存在しないと見ていいだろ。

そしてトドメの一撃として特約には恐るべしハウスクリーニング代金請求というものが必須で組み込まれている。

これはどんなに綺麗に使おうが、損耗がどうだろうが関係無く、退去した後に癒着掃除業者が掃除に入り、その代金を前入居者に対して請求するという事。

と言う事は家賃が10万円の部屋に住んでいて敷金を20万円(2ヶ月)預けていたとしてたら、ハウスクリーニング代で相手が定めた5万円という設定にて、たとえ15万が帰ってきたとしても5万の請求は不可能であるという事になる。
即ち全額を返還させる事は非常に至難の業となるのだ。

最近になって(平成16年)東京都内での事だが、敷金トラブルの後が絶えない事を鑑み、賃貸住宅紛争防止条例なるガイドラインが都より指導され、退去時の通常損耗等の区分(貸主負担が基本であると都は言ってるが・・・ )と復旧修繕及び維持管理などの内容を管理会社の宅建主任者が責任をもって、入居希望者に説明し、双方の合意を持って契約をするとなったから、渋々説明をしないとならなくなったのだが、管理会社と大家全部がそれに従属している訳でないので、知らぬ大家も多々いるだろう。

そもそも契約書は貸主と借主の双方の合意で作成されるべき性質のものであるのだが、実際は管理会社が契約書を作成し、借主は契約時にそれにサインと判子を押す。
契約書の裏にはびっしりと小文字で書かれた約款に何となく眼を通し?受諾する。
鍵を渡される。
管理会社はサラリとした曖昧な説明しかしない。
これが大きな落とし穴なのである。

例え注意深く全てに眼を通し、「クリーニング代金が明記されていないが?」と問いても、「大体●万位でしょうか。。。詳細は退去のお立会いにて当社の係員が損耗を確認し算出します」と
処理されてしまう。

疑問を感じつつも、契約不履行にする訳も行かないし、内見でいい部屋だったし、今決めないと誰かに、この部屋取られるし、新築だし、デザインいいし。
そもそも大家の審査もあるし、心情悪く思われたら折角の部屋も契約できないし、保証人も必要だし。と皆こんな感じだろう。

結果的泣き寝入りなのである。

敷金問題は非常に難しい問題としていつの間にか、解釈が在らぬ方向にてすり返られてしまう
まるで憲法9条のようなものなのである。

まさに限りなく黒い既成事実的グレーゾーンであります。

つづく

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